2020/09/29 | さやまさんぽ
「天野街道」は、天野山金剛寺への参詣道として、かつては熊野参詣にも利用され、西高野街道の旧経路とも考えられています。
上今熊地区の地点に「右 あまの山 二里/左 かうや山 十里」と書かれた西高野街道と天野街道の分岐点を示す道標があります。
陶器山の尾根筋上を南下し、大野の穴地蔵を経て、天野川の段丘上を進み、金剛寺に至ります。
天野街道は、平成7年度に建設省(国土交通省)の「手づくり郷土賞」、平成9年度には「大阪の道99選」にも選定されました。
天野街道を通って紀州熊野に向かう人々が参詣したことから、熊野神社とも呼ばれていました。
かつて同じところにあった金蔵寺の鎮守として奉られ、鎌倉時代末期の毘沙門天像などの数々の遺物が残っています。
古木が生い茂る神社の森は、大阪狭山市の保存指定樹林に指定。
目・鼻などの穴のすべての病気に霊験があるという有難い北向きのお地蔵さん。
子宝にも恵まれるという言い伝えもあり、子宝を授かった人はお礼参りで名前を書いた涎掛けを奉納するのだとか。
地蔵盆も盛大で、地元の方のお参りが絶えません。
この地点が堺・大阪狭山・河内長野の市境で、大阪狭山市循環バス(大野中バス停より徒歩約10分)が便利です。